INPITタイムスタンプ保管サービスとは
知的財産保護に有用な公的機関によるタイムスタンプ保管サービス
特許庁の外郭機関である、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)にて、2017年3月27日よりタイムスタンプ保管サービスが開始されました。
https://www.tss.inpit.go.jp/web/tssa01/sctssz990101
国の機関がタイムスタンプを長期にわたって保管し、その預かり証を発行することで紛失リスクを軽減するとともに、重要な機密情報を外部へ持ち出すことなく、保有時点の立証説明を国内外において長期にわたって可能にします。
自社技術保護と事業のクローズ戦略として、先使用権の主張や冒認出願対策に有用なサービスです。
【参考】独立行政法人工業所有権情報・研修館 Webサイト
■ タイムスタンプ保管サービス開始のお知らせ ~電子文書の存在時刻証明データを適切に管理~ 平成29年3月24日
■ タイムスタンプ保管サービスについて
サービス概要
タイムスタンプを長期に保管するサービス
目的 :企業における戦略的知財管理の支援
保管対象:日本データ通信協会認定事業者発行のタイムスタンプトークン
提供時間:平日08:00~19:00
保管期間:10年、延長可能
利用費用:無償
主な機能
- 預入時のメモ付与
- 検索機能
- 複数をまとめて保管可能
- アカウント間でタイムスタンプ移管可能
- 預入証明書の発行
活用のメリット
- 長期間にわたって保管
預け入れてから10年間保管してくれます。延期も可能なので安心です。 - 電子データの存在証明
国の機関が保管していることを預かり証という形で発行してくれます。国内はもとより、海外においても電子データの存在立証説明を容易にします。
電子文書の日付を確保する手段としての利便性・低コスト性
◯日付の付与に公証人を活用する場合とタイムスタンプを利用する場合の比較
公証人の活用 | タイムスタンプ | |
◆費用 | 日付情報の付与 1件につき700円 | 1件につき数円程度 |
◆取得手段 | 事前に公証役場と調整のうえ請求 事務取扱時間は平日の8:30~17:00 |
インターネットでいつでもどこでも取得可能 |
◆根拠法 | 確定日付のある証書とみなされます | 電子帳簿保存法施行規則第3条にて規定されています 参照:総務省指針「タイムビジネスに係る指針」によるタイムビジネス信頼・安心認定制度(日本データ通信協会) |
◆技術標準 | 特になし | 日本標準・国際標準準拠 RFC3161/ISO18014/JISX5063 |
サービス提供の背景
平成25年(2013年)に閣議決定された「日本再興戦略」において、“世界最高の知的財産立国”を目指す取り組みの中で、基礎インフラ機能として「営業秘密管理事業(仮称)」を実施するにあたり、訴訟における営業秘密の立証を手助けするシステムの検討が進められました。
その中での取組として、知的財産推進計画2014(営業秘密管理のワンストップ支援体制の整備)において具体的検討が進められました。
企業におけるオープン・アンド・クローズ戦略や営業秘密管理など総合的な知的財産の保護・活用戦略の推進が求められる中、主に中小企業を対象にこうした取組をワンストップで支援するため、オープン・アンド・クローズ戦略等を指導する人財を確保しつつ、相談業務や原本証明、セミナー開催等の広報・教育活動等を行う体制を構築する。相談体制の構築に当たり、全国の知財総合支援窓口と連携した体制や、捜査当局との連携を含め、営業秘密漏えいの疑義がある案件についての対応方法の相談を行える体制とする。以上のような体制の構築を目指し、できるところから2014年度内に順次開始していくとの方針で検討を進めていく。(短期・中期)(経済産業省、財務省、法務省)
(「知的財産推進計画2014骨子」経済産業省Webサイトより)
- 「重要な秘密情報」を持ち出すことなく、保有時点の立証説明を国内外において長期にわたって可能にします
- 低コストで、営業秘密や先使用権などの知的財産に関する電子データの日付を確保できます
- タイムスタンプを公的機関で保管することで、紛失リスクを軽減。国内・海外での電子データの存在立証説明が容易に
関連ソリューション
知的財産保護ソリューション
セイコーのデジタルエビデンス・ソリューションは先使用権の主張、冒認出願対策など、知的財産の存在証明を客観的なタイムスタンプで支援。
信頼の時刻の提供、長年培ってきた技術力で、幅広く研究開発の現場でご利用いただいています。